こんにちは!熊吉です。
受験勉強をしているとき、よく出題者の意図を読み取ろうととか、
どういったことを聞きたい問題か理解して解答を作り上げよう
と、言われます。
でも、この出題者の意図を読み取るってどういうことでしょうか?
どうすればその意図を読み解けるのでしょうか?
今回は問題作成者の意図を読み取って問題を解くとはどういうことかについて解説していきます!
出題者の意図を読み取るとは?
学校の定期テストや予備校の模試、そして各大学の入試問題。
これらの問題は当然人が作り上げています。
さて、皆さんはこの出題者が問題を作っているときにどんな気持ちで作っていると思いますか?
解けるもんなら解いてみろ?
こんな難しい問題が作れるんだぞ、すごいだろ?
出題者の先生に話を聞いたこともありますが、答えは違います。
この問題を解いてほしいな、これくらいは理解してるよね、教えたよね。だから解けてほしいな。
そんな気持ちで出題者は問題を作成しています。
そう、入試問題や試験問題は基本的に解く人のことを考えて、解けるように作成されています。
だから、出題者の意図が読み取れないということは、一見正しく解答できているように見えても、
頓珍漢な答えになっていることが多くあります。
ただ、入試問題になると、こういう意図で聞いているんだ!と単純にはわからないですよね?
入試問題は一見すると、とても難しく見えます。
でも実際はこういった知識とこういった知識の基本をわかっているかな?
それを問題文から読み取って活用できるかな?ということを出題者は聞いています。
また、受験ではその学校が求める力を入試問題に反映していることが多いです、
例えば東大の英語は、冷静に見ると難しい知識はそこまで必要なく、基本的な内容で構成されています。
ただし分量が多く、基礎的な内容を早く正確に処理できるかということを問われています。
これは日本の最高学府として官僚など日本の実務を担える人材を育成することが東大の使命であるからともいわれています。
一方で京大の英語の問題は長文問題が2問、英作文が2問と、そこまで分量は多くありません。
ただし長文読解で和訳すべき部分が長かったり、英作文の分量が多かったりと、じっくり問題に向かう力が求められます。
これは京大が研究者の養成に力を入れており、じっくり物事を考え読み解ける力が欲しいからだといわれています。
このように、作成される問題には出題者の意図や求める力がしっかりと反映されています。
この意図に則って作成された問題文から何が書かれているのかを読みとり、
何の力を試したいのかと分解していくことが出題者の意図を読み取るということです。
出題者の問題作成プロセスを考える
さて、では出題者はどのようにして問題を作成しているのでしょうか?
問題作成のプロセスを考えてみましょう。
例えば数学。
出題者は2次方程式の解の公式が理解できているか確認したいとします。
まずは普通に二次方程式を作り、解の公式で問題が解けるように作成します。
でも、そのまま出題しただけでは、多くの受験生が解けてしまいますよね。
そこで、出題を文章題にします。
そうすることでこの問題は解の公式で解けばいいと一見してわからなくなります。
出題者はこの公式が使えればいいと読み取れますか?ということを聞いているのです。
さらには文字式に置き換えたり、解の範囲に条件を付けるなどしてより複雑にしていきます。
でもポイントはあくまで二次方程式の解の公式の理解の確認。
そしていくつか与えられた条件の整理ができているか、ということが出題者の意図です。
しかし、解答者の視点に立つと、そのことはわかりません。
一見して複雑そうな問題で、どのように解いていいかわからずお手上げという風になってしまいます。
このように複雑に見える入試問題も、出題者はいくつかの基本的事項を組み合わせて複雑にみえるようにして問題を作成しています。
だからこそ基礎が大事といわれるわけです。
基礎がなければ出題者の意図が何と何を聞いているのかわからなくなってしまいますからね。
この作成は英語でも同様です。
下線部が引かれている問題の場合、少し難しめの構文があって理解しているかを聞きたかったり、
難しい単語があるから推測して解答できるかを聞いたりします。
その意図を読み取れず雰囲気で読んで解答を作っていては大幅な減点になってしまいます。
このように出題者には何らかの意図をもって問題を作成しているんだということを念頭に置き、
問題文や与えられた条件から、何を聞きたいと思っているのだろうと常に考える姿勢を持つようにしましょう。
これこそが出題者の意図を読み取る練習になります。
そして、意図が読み取れれば頓珍漢な解答を作ることを防ぐことにもなります。
出題者の意図を読み取る実戦的トレーニング
さて、出題者の意図を読み取ることはどういうことか説明しました。
とはいえ、なかなか問題を解きながらそこに思いを馳せるのは難しいですよね。
そこでより実戦的に出題者の意図が読み取れるようになるトレーニング法を紹介します。
それは、自分が出題者になることです。
自分で問題を作成して、人にその問題を解いてもらいましょう。
できれば一緒くらいのレベルの大学を目指している友達を見つけて、その人に解いてもらいましょう。
ポイントは問題を作るときに、自分はちゃんと理解して解けるけど、
相手は解くことができないような問題を作成することです。
ただし、全く意味不明な問題を作ってはいけません。
あくまで相手に解いてもらうための問題を作ります。
友達にも問題を作ってもらって、お互いに出題しあいながら解けた問題数を競い合うと、
ゲーム感覚が入って楽しく勉強することもできます。
問題作りのコツ
さて、いざ実際に問題を作ってみようとすると、結構難しいことがわかります。
まず出題するためには自分がちゃんと理解している内容でないといけません。
ただ、理解している公式を単純に当てはめた問題にしてしまうとすぐに相手に解かれてしまいます。
そこで、公式を変形したり、移行したりして一見公式を当てはめれば解けるのかわからない形に変えます。
さらに、その過程を文章で表現したり、1時間を60分など、単位を変えて作成することでより解きづらくしていきます。
さて、ここで先ほど紹介した出題者の問題作成法と見比べてみましょう。
同じような過程を踏んでいることがわかりますよね。
このように自分で問題を作成することによって、出題者がどのように問題で力を試そうと思っているかがわかります。
式変形をしながら出題をすることで、逆に解答をする立場に戻ったときでも
この形であればあの公式を使って解くことができると逆算して出題者の意図を見抜くことができます。
いざ、実践して問題を作成することは出題者の意図を知る訓練にもなり、
かつ人に質問されたときに着実にこたえられる自信を持っている
つまりしっかり理解していることを確認する指標にもなります。
ぜひトレーニングを活用して出題者が何を聞いているか読み取る訓練をしていきましょう!
まとめ
以上、今回は出題者の意図を読み取ることと、
意図を読み取れるようになるためのトレーニング法について解説しました。
出題者の意図があると思えば、一見かなり難しそうに見える問題でも、
その足掛かりを探そうと問題に取り組めるようになるはずです。
友達とゲーム感覚で競い合えれば、楽しく自分の成長を実感できる勉強にもなります。
ぜひ、今回のトレーニングを活用して問題の意図を読み取れるようになっていきましょう!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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